16.おわりに

先日、沖縄の西表島での環境調査に加わった小学5年生の子どもから、きれいな砂浜で10本もペットボトルを拾ったという報告を受けました。

マイクロプラスチックが水道水から検出されたというアメリカの報告、大便から検出されたというオーストリアの報告は、マイクロプラスチックがすでに人体に取り込まれていることを示しています。

すでに出来上がっているプラスチック社会を変えるのは至難の業です。しかし、プラスチックに含まれる化学物質が生物に何らかの影響を及ぼしているのも明らかです。

化学物質の安全性を評価する時、実験動物や野生動物で影響が認められても、ヒトに影響はないのではと、動物での現象や研究結果を認めたくない風潮があります。例えば、水俣で起きた有機水銀中毒事件では、汚染された魚を食べ中毒で多くの被害者が出ました。この中毒がヒトで起きる前、猫たちが不可解な行動を呈し、けいれんを起こし死んでいったというのです。それから何年か後に、ヒトでも同じような症状が現れたのです。自然界で生じている異変を目をそらさず、真摯に受け入れていればと、本当に嘆かわしい話です。

海洋のマイクロプラスチック汚染問題は、内分泌撹乱化学物質による自然界での異変や膨大な研究は、すでに過去の事例であり、目をつぶろうとしていた矢先の出来事です。遅きに失した感は否めないのですが、人類が今、事の重大さに気付いたのですから、これからが正念場だと思われます。生物の多様性を守り、人類の営みを永久的に持続させることを真剣に考える時が来たのです。今、海洋生物に何が起きているか精査する時です。そして、プラスチック社会のパラダイムシフトからの転換を要する時です。

私は、数年前、ビスフェノールAの研究現場から退きました。しかし、そこから見えてきた、BPAは脳、神経系に影響を及ぼす可能性が高いという結果を念頭に、今、社会問題化されている精神疾患患者の増加に焦点をあて、こころの健康事業に携わっています。うつや不安で悩んでいる多くの方々が元気を取り戻し、社会で生きがいを持った生活ができるよう、マインドフルネス二ッティングを推進しています。マインドフルネスとは、今の自分に気づきを向け、集中し、過去や未来にとらわれないこころの持ち様のことで、両手を使い、両側脳を活性化させる二ッティングにはマインドフルネス効果があると考えられています。

一意専心の気持ちを持って、美しい地球を持続させる努力を惜しまないことです。同時に、意義ある人生、ひいては、次世代の健やかな育成のためにも、幼児からの環境教育、情操教育の徹底を望む一人です。

これまで、食の安全性を評価するために、実験動物という名の下で、多くの動物を犠牲にしてきました。その慰霊のためにも、一念発起、このブログをしたためた次第です。