15.プラスチック社会を賢く生きぬくために注意すべきこと

マイクロプラスチックそのものがヒトにどのような影響を及ぼすかについては、現時点ではわかりません。

私は、プラスチックに含まれている化学物質の一つである、ビスフェノールA(BPA)の研究におおよそ15年の年月を費やしました。プラスチックは、数えきれないくらいの化学物質からなっています。すべての物質の安全性を評価した上で、プラスチックの使用の是非を問うのが筋ですが、到底無理な話です。内分泌撹乱作用が確認され、動物で影響が認められているBPAの使用すら許可されているのが現実です。

清潔で便利なプラスチックの快適さを知った今、我々の生活からプラスチックを完全に排除することがいかに難しいかは、火を見るよりも明らかです。

そこで、私は、以下の10項目を、日常生活を送る上での注意点として提案したいと考えています。とくに、次世代への影響を考慮した場合、妊婦さんやこれから子どもを産み、育てる人々へのメッセージとして。

1.食育に関心をもち、家庭料理を心がけましょう。

ご自分がどのような素材を使っているか、何に盛り付けているかなど、すべての過程を知って納得し、マイクロプラスチックや内分泌撹乱化学物質を体内に取り込まないようにしましょう。

2.食品をプラスチックに入れた状態での加温(電子レンジなどの)はさけましょう。

熱でプラスチックに使われているBPAやフタル酸エステルなどの添加剤が内容物に溶け出してきます。

3.古くなったプラスチック容器の使用は避けましょう。

プラスチックが劣化(傷がついたり、表面にプラスチックの粉が付く)すると、プラスチックに使われているBPAやフタル酸エステルなどの添加剤が内容物に溶け出してきます。

4.食品は、しっかり冷めてからプラスチック容器に移しましょう。

熱でプラスチックに使われているBPAやフタル酸エステルなどの添加剤が内容物に溶け出してきます。

5.新聞紙や印刷紙などを油きりに使うのは止めましょう。

印刷インクにBPAなどの化学物質が使われている可能性があります。

6.缶詰の加温は止めましょう。

内面剤としてエポキシ樹脂(BPAを原料とする)が使われている缶詰めでは、不純物として含まれるBPAが溶出する可能性があります。

7.魚類の内臓は、たとえ小魚であっても除去して食べましょう。

魚の内臓はマイクロプラスチックの貯蔵庫です。

8.頻繁に貝類を食べるのは控えましょう。

内臓ごと食べる多くの貝類からマイクロプラスチックが検出されています。

9.プラスチックごみの分別に協力しましょう。

自然環境保護運動の第一歩です。

10.幼児の舐める行為には細心の注意をしましょう。

本の印刷インクやカバーのコーティング剤にBPAが使用されている可能性があります。